不可思议的日语:“あなた”的用法
沪江2015-04-07 19:59
先日、或る学習者から「目上の人に話しかけるとき『あなた』を使ってはいけないんですか。」と、いかにも不思議そうに訊かれた。「普通は使いません。親しい人なら名前に『さん』をつけて、山田さんとか佐藤さんとか呼んだりしますし、特に目上の人なら、職業や肩書きによって『先生』とか『部長(さん)』とか呼ぶのが普通のようです。」と型どおりに答えたが、納得がいかない様子で、「どうしていけないんですか。名前や職業や肩書きがわからなかったら、どう呼べばいいんですか。」と(私は相手が大統領でもYouと呼びます、といわんばかりに)さらに畳み掛けてきた。
前几天一个学生带着很不可思议的样子问“跟上级说话时不能用‘あなた’吗?”我遵照教条回答:“通常不用。亲密的人之间会加上‘さん’,比如山田さん、佐藤さん等,尤其对上级,通常会以其职业或职务叫‘老师’或者‘部长’。”他还是不了然的样子,又继续问:“为什么不能说呢?如果不知道名字、职业、职务的话又该怎么叫呢?”(他一副“我对着总统也是说You”的样子)。
この問題は、ほとんどの初級日本語テキストで取り上げられていると思われ、また、『外国人が日本語教師によくする100の質問』(バベル・プレス)でも取り上げられて、詳しく説明されているので、周知のことですが、小生には以前から多少気にかかるところがありましたので改めて考えてみることにしました。
这个问题几乎所有日语初级课本都会讲到,《外国人常问日语老师的100个问题》(Babel Press)上也有提到,书里都有详细说明,已经众所周知,不过我以前就对有些地方多少有些在意,所以准备重新作一番思考。
まず、日本語の辞書ではどう記述しているのでしょうか。(関係する部分のみ。)
首先来看日语辞典是怎么记述的呢?(只列出相关部分。)
★広辞苑:『近世以後、目上や同輩である相手を敬って指す語。』(現今では敬意の度合いが減じている。) -「これをあなたに差し上げます」
★广辞苑:“近代以后,表尊敬上级和同辈等对方的指代词。”(现今的敬意程度在减少。)-“送给您。”
★明鏡:『同等以下の相手を指し示す語。本来対等または目上の相手への敬語として使ったが、現在ではよそよそしい語感が嫌われ、対等の相手には避けられる傾向がある。今、軽い敬語として、同等以下の相手に使うほか、妻が夫を親しんでいう場合や名前・身分などのわからない相手に使う傾向が強い。』-「あなたはそう言うけど、実際はどうかな」
★明镜:“指代同级以下的对方的词语。原本为用于对等或上级的敬语,现在因疏远的语感受到讨厌,倾向于避免用于对等的对象。现在作为程度轻的敬语除用于同级以下的对象外,还多用于妻子亲切称呼丈夫以及不清楚姓名、身份等的对象使用。”-“你是这么说,实际上是怎么样呢?”
★新明解:『自分と同等程度の相手を軽い敬意をもって指す言葉。』―「あなた様」
★新明解:“对与自己同等级的对象带轻微敬意使用的词语。”-“您”
より詳しい語法として、
更详细的语法解释:
★日本語教育事典:『近年までは対等若しくは上位の人に対して使われたが、現在ではむしろ対等又は目下のものに使われることが多い。対等又は目下に対して「あなた」を使うのは女性に多く、男性は同じ場合、特に相手が男性の時は、「君(きみ)」を使うことが多い。(中略)教育上注意すべきことは、英語の‘You’などと違って、無差別には用いられないことである。むしろ相手の名をあげて「中村さんはどちらにお住まいですか」のように言うのが普通である。また上位の人に対してはその地位を指す言葉「先生」「社長」などを用いる。(後略)
★日语教育事典:“不久前还用于对等或上级,现在则多用于对等或下级。‘あなた’用于对等或下级的以女性居多,男性在同等情况下,尤其对方也是男性的,多用‘君(きみ)’。(中略)教学中要注意あなた和英语的‘You’不同,不能完全对应。通常会喊对方名字,比如‘中村你住哪儿?’而对上级则会使用‘老师’、‘社长’等指代其地位的词。(后略)”
★基礎日本語辞典:『一人称の「わたし」に対応する二人称の代名詞として最も一般的な語であるが、英語のYouなどと違って、そのわりに使用の場と相手には制約があり、使用の幅はあまり広くない。(以下略)』として、以下、対象者別に詳細に述べられています。
★基础日语辞典:“あなた是与第一人称‘わたし’对应的第二人称代词,是最常用的词,和英语的You不同,相应的使用场合与对象有着限制,使用范畴不大。(后略)”下面从不同对象来详细论述。
以上の記述から「あなた」の一般的な使い方については理解できますが、個別・具体的な相手・場面において、「あなた」の使い方の適否を判断することは、個人の『語感』の問題も関わってきて意外に難しいのではないかと思われます。たとえば、あなたの学習者から「あなたの家に電話をしてみましたが、あなたは留守でした」というメールをもらったら、あなたはどう感じますか。前掲「100の質問」の回答者は(メールではなく、あるアメリカ人からの手紙ですが)、「この手紙を見てまず感じたことは、留守にしていたことを責められているのか、ということでした。しかし・・・」と述べています。そして、「お電話いたしましたが、お留守でしたので・・・」とすれば聞き手の心を波立たせることなく、同じ内容を表現できる、と説明しています。では、あなたは上記のメールを見て責められていると感じますか。心が波立ちますか。(多くの方のご感想をお待ちします。)
从上述叙述能理解对“あなた”的一般性用法,而涉及到个别与具体的对象·场合中,要判断“あなた”的用法是否恰当,还关系到个人的“语感”问题,让人觉得意外地难。比如,如果你收到学生短信说“我打电话去了你家,可你不在”,你会怎么想呢?前面提到的“100个问题”的回答者(这里不是短信,而是某美国人的信),“看到这封信首先觉得你是在责备我不该不在家吗?不过……”继而说明:“如果能改成‘我给您打了电话,可是没人接……’这样同样表达出了相同内容,听的一方也不会多心。那么你看了上面的短信是否有被责备的感觉?会多心吗?(我等着大家踊跃分享感受。)”
「あなた」は「わたし」などと同様、人称代名詞の一つであり、日常の会話などでは特に必要がない場合は省略されるのが普通のようです。この現象は、人称代名詞に限らず、主語一般についてもある程度言えそうです。したがって、日本人なら省略することの多い言葉を外国人が頻繁に使うことに対する多少の違和感はあるかもしれません。
“あなた”与“わたし”同为人称代词之一,日常对话中如无特殊需要通常会省略。这一现象不仅限于人称代词,这在某种程度上也能用于所有主语。因此,日本人多会省略的词语,因外国人会频繁使用而让人觉得多少有些别扭。
次に、「あなた」は待遇表現の中に位置づけられており、日本人でも誤用の多い敬語の使い方の問題として、外国人学習者にどこまで正確な使用を求めるか、という問題もあります。特に「あなた」は、ほかの多くの人称代名詞と同様、敬語としての価値が変化してきており、現段階では日本人でも評価や語感が分かれるのではないかと思われます。
其次,“あなた”被定位成待遇表现,由于这属于日本人也多有误用的敬语用法的问题,因此该在多大程度上要求外国学生正确使用也是一个问题。尤其是和其他许多人称代名词相同的,“あなた”作为敬语的价值也在发生变化,现阶段日本人中间在评判和语感上不也有着偏差吗?
さらに、日本語学習者と日本語教師の関係は、日本の学校における学生・生徒と教師の関係と同様に捉えられるものでしょうか。
而日语学生与日语老师的关系是否也跟日本的学校中的师生关系相同呢?
外国語学習者が常にそうであるように、一般外国人や日本語学習者の日本語レベル・学習レベルは千差万別です。学習レベルに応じた適切な指導が必要なことは言うまでもありませんが、外国語習得過程における誤用の問題をどのように取り扱うか(上記の例においては誤用かどうかを含めて)、日本語教師として、自分が外国語を学ぶ立場に立って考えていきたいと思います。
正如外语学生常有的,普通外国人和日语学生的日语等级、学习程度千差万别。要根据学习程度来因材施教这点无需赘言,在学习外语的过程中对于误用的问题要如何处理(包括上述例子算不算误用的问题),作为日语老师应该站在学习外语的立场来做思考。
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(编辑:杨帆)
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